救急科1年目研修医

「失敗」するということ

2020/10/13
ある日の振り返りから。
「ここをUmemoto's pointとする!」

“Because not failure, but the way showed that it doesn`t work, that`s success.”

発明家、また非常な努力家として知られるトーマス・エジソンの名言である。

失敗自体は問題でない、むしろうまくいかないことがわかったのだから成功である。大切なのはその失敗を次にどう生かすのかであって、失敗から学ぼうともしない事が本当の失敗なのだ。

このように解釈し、大切にしていることばのひとつである。

初期研修が始まり、約5カ月が経過した2020年9月7日、1ヶ月にわたる救急科ローテでの研修が始まった。


当院の救急は忙しい。札幌東徳洲会病院に次ぐ北海道第2位の救急車搬送数を誇り、その最前線にあって連日の激務で屋台骨を支え続ける上級医の先生には頭が下がる思いだが、そんな中でも勤務終わりに、「よし、振り返るか」と声をかけてくれ、その日に診療した症例について指導する時間を取ってもらえるのが、本当にありがたかった。

研修医生活は失敗の連続である。こと救急科に関しては、患者さんとは一期一会、その場の判断が求められ、自分の失敗を自分で後から取り返したりできないため、自分が落ち込むだけで患者さんには何も還元されなかったり、失敗を失敗とも認識せず時間が過ぎ去ってしまう可能性もある。

自分の判断、診療は適切だったのか、改善すべきところはないか。周辺知識、今後勉強すべきことなど、時には1時間以上に及びじっくりと指導してもらえる環境に身を置き、ほんの少し、でも確実に1ヶ月前とは違う、成長した自分に気付けたとき、改めてこの病院を初期研修先に選んで良かったと思えた瞬間であった。

失敗したことそのものより、失敗を次に生かさない事が本当の失敗である。経験から学び、自分の糧としていく姿勢を忘れずに、今後の診療にあたります。 1年目研修医 梅本 樹