専攻医・後期研修医・専門医
研修の特徴
病院の特色と研修医に求めることINTRODUCTION
病院の特色と研修医に求めることINTRODUCTION
当院は、札幌市北東部の東区(人口26万3800、2019年4月現在)に位置し、1975年の開院以来、救急指定を受けるなど地域の二次医療機関としての役割を果たしてきた。
また、北海道勤労者医療協会(北海道勤医協)の病院・診療所、在宅関連施設のネットワークの中で特に急性期の医療を提供し、重篤かつ複雑な病態をケアするセンター病院として位置づけられており、高い技術と安全・安心をモットーに患者中心の診療を行っている。
また、予防からリハビリ、在宅まで、患者の立場にたった医療実践と全職種参加による集団医療を追求しており、医療安全、院内感染対策、褥創対策、NST活動、緩和ケアチーム、ACLSチームの活動など、職種横断的な活動も活発に行われている。
1997年に厚生労働省臨床研修病院に指定され、開院当初よりこれまでに400人超の初期研修医を受け入れ、地域に根ざした第一線の医療機関として、プライマリケア医養成のみならず、後期研修を通じて、各種専門医療の担い手を多数養成してきた。
2002年に開設した総合診療病棟は患者さんを総合的に診療する病棟として機能し、全国的にも注目されている。
当院の研修の特徴はTRAINING FEATURES
当院の研修の特徴はTRAINING FEATURES
第一に、患者さんや地域の医療要求に応えるということを研修の出発点とし重視している点である。
厳しい社会経済情勢を反映し、地域には病院にかかりたくてもかかれないような高齢者や生活困窮者も増加している。
「命の平等と格差のない医療・福祉をめざす医療機関」として、無料低額診療の実施や差額ベッド代を徴収することなく、多くの弱者を受け入れてきた。
患者・地域住民が参加する友の会との関わりを重視し、健康相談会活動などを通し、地域住民と直接触れ合う機会をもち、患者・住民のニーズを把握する努力を続けている。
こうした経験を通じて、医師として、患者の人権を守り、医療における社会正義(命の平等)を実現出来るようにしていきたい。
第二に、医師は、患者さんやスタッフと共に、集団医療のリーダーとして成長することを目指して来たこと。
多くの職員や患者・住民と互いの人格を尊重しあいながら、医療の目標を決定していきたいと考えている。
第三に、多くの医師が1年以上の診療所研修や中小規模病院での研修を経験してきたこと。
この経験は、患者さんと同じ生活圏で生活し、地域の諸問題を直に感じながら、自らの医療目標、研修目標を設定していくという貴重な経験になっている。
第四に、研修医みずからが研修の充実に努めてきたことである。
研修医の自主性を尊重し、研修医がなくてはならない存在として様々な役割を担っている。
青年医師の会や研修世代での議論は、常に今日求められる医師を目指して、どのように研修を充実させていくべきかということであった。
当院の基礎研修要綱は、そうした議論の集大成であると言っても過言ではない。
2000年に、基本的、総合的な診療能力の獲得と主治医として全人的医療を担うということを目標に、基礎研修要綱の見直しをおこなった。
とくに初期研修の2年間については所属科に関係なく、各分野のプライマリケア領域を、各科・各グループのローテーションと共通カリキュラムの中で研修・指導する方式とした。
また、評価とそのフィードバックを重視し、指導医と研修医が、研修に対する要望や目標を共有し、個性を大切にしながら、研修を継続している。
3年目以後の後期研修プログラムとして、
- ① 各科の専門領域を研修するコース
- ② 総合診療病棟や地域第一線病院で総合内科医・臨床研修指導医を目指すコース
- ③ 家庭医として病院・診療所など各種フィールドで包括的に研鑽を積んでいくコース
を設定した。各種学会の認定医や専門医の資格取得はもちろんだが、第一線の医療機関で学んだことを地域住民・患者に還元し、いのちと暮らしの守り手として、プロフェッショナリズムを発揮することを目標に研修を続けてもらいたい。
最終更新日:2021年12月