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SEAカンファレンス(2017/6/16)2017-07-05

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今年度2回目のseaカンファレンスです。日々のモヤモヤを振り返りみんなと共有するカンファレンスです。

 

今回は1年目研修医のN先生が症例を発表してくれました。

 

【症例】

全身倦怠感の診断治療目的に入院となった80代の男性。

倦怠感や呼吸苦が強く、N先生は「どうにかしてあげたい!」と思い、毎日お話を聞き診察を行いました。

診断もつき、治療が奏功し徐々にお元気になり笑顔も見られるようになってきたのです、が…。

元来の便秘症が悪化したことで腹部の張りが出現し、それを理由にリハビリも拒否するようになってしまいました。

みるみる筋力も低下し、ある日自室で転倒。再転倒を防ぐためにベッドに柵を設置し、離床センサーも使用し、ベッドから動きがあった際にはすぐに看護師が飛んでいける体制をとりました。

患者さんは「リハビリでは歩けと言うのに部屋に戻ればベッドには柵がつき、センサーで看護師が飛んでくる。矛盾している!」と立腹してしまいました。再転倒を防ぐため、患者さんのことを思っての対応であることを説明するも納得されず、リハビリも進まない日々が続きました。

それでも毎日患者さんの元に向かいお話を聞き続けていると、ある日突然ご家族のことをお話しし始め、「自分のために娘が仕事を辞めてくれた。情けない」と涙を流されました。じっとお話を聞いていると「今回の病気のせいで白内障の手術が遅れてほとんど何も見えなくなってしまった。でも先生の顔はわかりますよ、毎日来てくれて丁寧に診察してくれるから。先生も看護師さんもみんなよくしてくれる。ありがとう」と語ってくれました。

患者さんのためと思い行っていた対応が実は患者さんの歩くという尊厳を奪う行為になっていたことに気がつき、また患者さん自身にも様々な背景があり意見があり感情があるのだということを改めて認識した症例でした。

 

その後、指導医のM先生から「実はこの後、ご家族とも話し合ってご本人の意思を尊重してベッド柵を外そうということになったんですよ。チーム医療は医療者だけでなく家族や本人も含めてのチームなんです。」とお話してくださいました。

ディスカッションでは対応が困難な患者さんの元へ毎日足を運び話を聞き続けたN先生の姿勢や、つい疾患ばかりに目が行きがちですが一人の人として患者さんと向き合うこと、患者さんも含めたチームで診療を行っていくことなどの大切さを共有しました。

私からは本田美和子さんらの「ユマニチュード入門」という本から他者との関わりや立つことなどが「人」として尊厳を持って生きていく上で重要であるという一節をご紹介させていただきました。

指導医のM先生も参加してくれ症例のその後のお話も聞くことができ、とてもほっこりしました。

 

今回もあたたかい会になりました。次回も楽しみです。(seaファシリテーター後期研修医A)

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