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新専門医制度プログラム-内科-

内科 新専門医制度プログラム

はじめに

 北海道民主医療機関連合会(以下、北海道民医連)では、これまで独自の研修により、北海道のみならず日本中に多くの医師を輩出してきました。同連合会に加盟する多くの施設で研修を受け入れ、教育の実践を積み重ねてきました。北海道民医連に加盟する医科法人は、北海道勤労者医療協会、道北勤労者医療協会、道南勤労者医療協会、道東勤労者医療協会、十勝勤労者医療協会、オホーツク勤労者医療協会の6つがあります。各々の法人の担い手を、各々の法人が互いに協力、連携して研修を受け入れ、養成してきました。
 このたび、わが国の専門医を規定する枠組みが大きく変わります。専門医を目指す医師は、第三者機関(日本専門医機構)により認定を受けた研修施設で、同期間により認定された研修プログラムに則った研修(専門医研修)を行うことが必須となります。すなわち、これまで後期研修といわれていた研修が、専門医研修に取って代わり、それが必修とされることとなります。
 北海道民医連においてもこの大きな研修をめぐる変化に対応するため、多くのスタッフが参加し議論してきました。議論の中でとくに重視されたことは、後期研修は専門医資格を取得するためのものではなく、医師としての生涯においてどのようなことを行うのかを考え、その基礎となる知識や技術を習得し、ひとりのプロフェッショナルとして成長するということです。専門医研修はその核となる研修となりますが、その一部を構成しているにすぎません。専門医資格取得を第一の目標とした知識・技術偏重ではなく、次の時代の医療を担いうる人材としての成長が最も重要です。
 本プログラムは、これまでの北海道民医連の後期研修の積み重ねを元に作成されました。研修医のみならず指導医もこのプログラムを意識した診療を行うことで、北海道民医連の医療が更に飛躍することを期待するものであります。

北海道民主医療機関連合会      医師研修委員会
北海道勤労者医療協会勤医協中央病院 内科専門研修委員会

目次

研修プログラムの概要
(1) 北海道民医連内科専門医研修プログラムの目指す医師像
(2) 研修指導の理念
(3) 各委員会の役割
(4) 研修施設の概要

研修目標、研修カリキュラムとその学習方略
(1) 医師としての成長の課題(習得すべきコンピテンシー)
(2) 経験および習得すべき知識・技術
(3) 学習方略
  ① 研修施設ローテートの概要
  ② 勤医協中央病院内科系診療科
  ③ 中小規模病院
  ④ 外来診療研修
  ⑤ 救急診療研修
  ⑥ 臨床現場を離れた学習(必須となる講習会、カンファレンス)
  ⑦ 学術活動
  ⑧ 自己学習
(4) 全診療科専門研修プログラムの横断的カリキュラム
  ① 全医師対象のカンファレンス、講習・講演会
  ② 研修修了式
  ③ 青年医師の会

評価の方法
(1) 指導医定期面接
(2) 研修手帳
(3) 専門医研修修了認定

指導体制
(1) 指導医の配置
(2) 指導のための時間の確保

研修プログラム、研修施設の運営と改善
(1) 研修プログラムの管理、運営のための組織
  ① 専門研修プログラム管理委員会
  ② 専門研修委員会
(2) 施設要件の維持、向上
  ① 指導医の配置
  ② 各種講習・講演会、カンファレンスの開催
(3) 指導医の指導スキルの向上
(4) 症例の確保
(5) 研修に関する監査(サイトビジット等)・調査への対応
(6) 専攻医研修マニュアル
(7) 指導医マニュアル
(8) その他研修に必要な物品や担当職員の確保

内科専門医研修修了後の後期研修
(1) 中央病院領域別専門医研修の専攻医として
(2) 中小規模病院の内科スタッフとして
(3) 診療所医師として
(4) 共通カリキュラム

後期研修修了後のキャリアパス
(1) 中央病院の領域別専門医として
(2) 中規模病院の内科指導医として
(3) 診療所の管理医師として

8 専攻医の募集、選抜、採用
(1) 専攻医の定員
(2) 専攻医の募集
(3) 専攻医の選抜、採用

9 専攻医の身分・待遇、研修の休止・中断、プログラム移動
(1) 専攻医の身分
(2) 専攻医の待遇
(3) 研修の休止・中断、プログラム移動

1 研修プログラムの概要

(1) 北海道民医連内科専門医研修プログラムの目指す医師像

 当研修プログラムは、北海道の地域医療を担うことができる内科医の育成を目的としています。専攻医は、総合的な内科の知識・技術を習得し、へき地医療から高度専門医療まで、また外来診療や在宅医療から、回復期・急性期病棟、救急診療まで、あらゆる内科の診療の場で活躍できる医師を目指します。また、知識・技術の習得のみならず、医療者としての人間性を涵養し、医学・医療の発展のために努力する医師を目指します。
 北海道民医連の各施設は、いのちの平等を掲げ、無差別・平等の医療を実践しています。その医療活動の中心を担う医師を育てることが、当研修プログラムの第一の目的です。医師としての知識と技術を十分に備え全人的な診療を行うとともに、医療をとりまく情勢を十分に捉えることができる社会性を身に付けることも重要な課題です。

(2) 研修指導の理念

 各々の専攻医の医師としての成長のため、また研修がより良いものとなるように、指導医のみならず全ての職員が主体的に研修プログラムに関わります。

(3) 各委員会の役割

 研修プログラムの運営とプログラム自体の向上のため、専門研修プログラム管理委員会を設置し、また各施設に研修委員会を設置します。
 専門研修プログラム管理委員会、各施設の研修委員会は、研修プログラムとのその機能をより高めるため、プログラムと実際の研修の内容を精査し、必要な整備や調整を行います。

(4) 研修施設の概要

 当研修プログラムの研修施設は、基幹施設である勤医協中央病院と連携施設である北海道内の中小規模病院からなります。勤医協中央病院をローテートしている間の一般内科外来研修を、救急総合外来、勤医協伏古10条クリニック、勤医協札幌北区ぽぷらクリニックで行います。
 勤医協中央病院は高度急性期医療および救急診療を担う地域の中核病院です。連携施設である中小規模病院はプライマリケアを診療の中心とした、患者や地域に密着した施設です。その両者をフィールドとして、多種多様な内科の診療場面で専門的かつ総合的な医療を実践します。
 医協中央病院の内科系診療科には、総合診療科、消化器内科、循環器内科、内分泌・代謝内科、腎臓内科、呼吸器内科、血液内科、膠原病内科があります。その他、救急部、回復期リハビリ病棟、ホスピス・ケアセンターでの研修も行います。
 海道民医連の各中規模病院は、いずれも地域に密着した総合的な内科診療を行っています。急性期病棟だけではなく回復期病棟を持ち、外来から入院、退院後の在宅診療までを一貫して行います。主治医として、担当する患者に最後まで責任を持った診療が求められます。

2 研修目標、研修カリキュラムとその学習方略

(1) 医師としての成長の課題(コンピテンシーについての研修目標)

 内科専門医として高い倫理観と社会性を有することが要求されます。具体的には以下の項目が要求され、全研修期間において、症例の経験や指導医とのディスカッションを通して、身に付けられるよう努力します。
  1. 患者とのコミュニケーション能力
  2. 患者中心の医療の実践
  3. 患者から学ぶ姿勢
  4. 自己省察の姿勢
  5. 医の倫理への配慮
  6. 医療安全への配慮
  7. 公益に資する医師としての責務に対する自律性(プロフェッショナリズム)
  8. 地域医療保健活動への参画
  9. 他職種を含めた医療関係者とのコミュニケーション能力
  10. 後輩医師への指導
 また、学問的姿勢として、1)患者から学ぶという姿勢を基本とし、2)科学的な根拠に基づいた診断、治療を行う(EBM; evidence based medicine)、3)最新の知識、技能を常にアップデートする(生涯学習)、4)診断や治療のevidenceの構築・病態の理解につながる研究を行う、5)症例報告を通じて深い洞察力を磨く、といった基本的な姿勢を涵養します

(2) 経験および習得すべき知識・技術、症例

 内科研修カリキュラムの到達レベルに応じた知識、技術の習得、症例の経験をします。専門研修1年目は勤医協中央病院でのローテート研修となり、多種多様な疾患を経験します。研修カリキュラムに定める70疾患群のうち、45疾患群以上を経験し、計100例以上を経験することを目標とします。症例要約は15編以上を記載します。専門研修2年目には、1年目に経験できなかった症例を重点的に経験できるように6~12か月勤医協中央病院の各内科系グループをローテートします。70疾患群全てを経験し、計160症例以上を経験することを目標とします。症例要約は29例全ての記載を終えます。専門研修3年目には計200症例以上を経験することとします。

(3) 学習方略

① 研修施設ローテートの概要
 勤医協中央病院と中小規模病院1ないし2施設をローテートします。勤医協中央病院は1年目または2年目のうちの12-24か月、その他の期間は、中小規模病院を12-24か月ローテートします。
 勤医協中央病院では、各内科系診療科の病棟を2-6か月程度の期間でローテートします。
 中小規模病院は、6か月単位での異動は可とします。
 ローテートの必修は救急医療研修のみとします。その他の期間は、カリキュラムの履修が可能なように、各内科系診療科、各中小規模病院のローテートを組みます。
 神経内科の専門病棟はなく、総合診療科、救急部、さっぽろ神経内科病院、中小規模病院のローテートにおいて、必要な症例を経験します。
② 勤医協中央病院内科系診療科
 内科専門医に必要な専門的な知識、技術・技能の習得を第一の目標とします。内科研修カリキュラムに即した内容について、各専門病棟をローテートし学習をします。同時にコンピテンシーについても学習、指導します。

各内科系診療科での学習内容
 全ての診療科において、病棟診療と外来診療を通して学習をし、症例を経験します。技術・技能は、全ての研修期間において経験し、習得を目指します。全ての診療科において、総合内科I(一般)について、学習、経験します。内科当直を行い、一次救急医療の経験を積みます。

総合診療科:研修カリキュラムの総合内科II(高齢者)、総合内科III(腫瘍)、神経、アレルギー、感染症、救急を、各領域のコモンディジーズとともに経験します。
循環器内科:研修カリキュラムの循環器、救急(循環器分野)を経験します。
消化器内科:研修カリキュラムの総合内科III(腫瘍)、消化器、救急(消化器系救急疾患)を経験します。
内分泌・代謝内科:研修カリキュラムの内分泌、代謝、救急(内分泌系救急疾患)を経験します。
腎臓内科:研修カリキュラムの腎臓、救急(腎・泌尿器系救急疾患)を経験します。
呼吸器内科:研修カリキュラムの総合内科II(高齢者)、総合内科III(腫瘍)、呼吸器、アレルギー、感染症、救急(急性呼吸不全)を経験します。
血液内科:カリキュラムの総合内科III(腫瘍)、血液、感染症を経験します。
リウマチ・膠原病内科:カリキュラムの膠原病および類縁疾患、感染症を経験します。
救急科、ハイケアユニット:カリキュラムの総合内科II(高齢者)、総合内科III(腫瘍)、神経(脳血管障害、感染性・炎症性疾患)、アレルギー、感染症、救急を経験します。
回復期リハビリ病棟:各領域の亜急性期、慢性期の診療、リハビリテーションを経験します。
ホスピス・ケア病棟:悪性疾患の終末期、緩和ケアについて経験します。
③ 中小規模病院、診療所
  多くの内科疾患を経験し、特に地域医療に関する内容を学習します。限られた医療資源の中での診療を通して、医療連携、地域包括ケア・システムのあり方を学びます。
   研修施設(連携施設、特別連携施設)
    勤医協札幌病院
    勤医協札幌西区病院   西区ひだまりクリニック
    勤医協苫小牧病院
    勤医協伏古10条クリニック
    勤医協札幌北区ぽぷらクリニック
    道北勤医協一条通病院  一条クリニック
    道東勤医協釧路協立病院 協立すこやかクリニック
    道南勤医協函館稜北病院 稜北クリニック
    十勝勤医協帯広病院
    オホーツク勤医協北見病院
    さっぽろ神経内科病院 さっぽろ神経内科クリニック

④ 外来診療研修
概要
 外来診療研修は3年間継続して行います。各施設の一般内科外来、救急外来あるいは総合内科外来を担当します。1年目は週1単位、2年目および3年目は週2単位以上とします。はじめの6か月は指導医と併診とし、その後はひとりで診療を行います。

研修施設
 勤医協中央病院ローテート中は、救急総合外来または札幌病院の一般内科外来を担当します。内科急性疾患や慢性疾患の急な悪化の症例、退院後フォローの症例を主に診療します。また、一定程度の経験を積んだ(6-12か月)後、勤医協中央病院のサテライトクリニックである伏古10条クリニック、札幌北区ぽぷらクリニックで、内科一般外来診療を担当し、慢性疾患の管理および急性疾患の一次診療を行います。
 中規模病院では、慢性疾患の長期管理を主に診療しつつ、急性疾患や一次救急対応も平行して行います。

指導の体制と内容
 外来単位の間は、常に内科指導医あるいは他の内科上級医との併診、あるいはすぐにコンサルトできる指導体制をとります。
 毎回の外来単位終了後に、担当した症例について内科指導医とディスカッションを行い、振り返りと次回以降の診療プランの見直しをします。研修到達度は研修医手帳で評価をします。
⑤ 救急診療研修
概要
 勤医協中央病院では、一定期間(2-3か月)救急科をローテートします。救急外来での一次診療と、ハイケアユニットでの入院診療を行います。
 中小規模病院では、救急外来を担当します。

研修施設
勤医協中央病院では、救急診療部の上級医が指導を担当します。中小規模病院では、内科上級医がコンサルトを受けます。
⑥ 臨床現場を離れた学習(必須となる講習会、カンファレンス)
 各施設において、感染対策や医療安全、医療倫理に関わる講習会を年1回以上開催し、各専攻医は参加します。CPCは勤医協中央病院では年3回以上、中小規模病院では年1回以上開催し、各専攻医は参加します。JMECCは勤医協中央病院では年に1回以上開催し、各専攻医は参加します。
勤医協中央病院で行われる講習会やカンファレンスには、専攻医に事前に連絡し、参加を促します。可能な限りテレビ会議システム等を用い、連携施設においても参加が可能なように配慮します。
⑦ 学術活動
 経験した症例について文献検索を行い、症例報告をします。各サブスペシャリティ領域や中小規模病院でのローテートにおいてクリニカルクエスチョンを見いだし、臨床研究を行います。
 勤医協中央病院では年1回、中小規模病院ではローテート期間中に1~2回、3年間3編以上の演題を内科系学会にて発表を行います。発表した演題は、後期研修3年間のうちに1編以上論文にまとめます。
 初期研修医、他科を含めた専攻医、メディカルスタッフを対象としたレクチャーを行い、講師を担当します。
⑧ 自己学習
 研修カリキュラムの項目のうち、症例を経験することができなかった内容について、勤医協中央病院での症例検討会あるいは日本内科学会あるいは内科系学会が行っているセミナーやe-learningを利用して学習します。

(4) 全診療科専門研修プログラムの横断的カリキュラム

① 全医師対象のカンファレンス、講習、講演会
 専攻医だけではなく、全医師を対象としたカンファレンス、講習会、講演会を定期的あるいは不定期に行います。
 定期的に行うカンファレンスとして、内科症例検討会、CPC、キャンサーボードがあります。
 定期的に行う講習会として、医療安全および感染対策に関わるもの、医療倫理に関わるものがあります。
 自由に参加できる学習会は、各診療科により随時行われています。
 定期あるいは不定期に開催される講演会は、地域の医師を招いて行うもの、院外に講師を依頼するものがあります。
② 研修修了式
 研修修了時に、他領域の専攻医とともに合同の研修修了式を行います。修了証の授与とともに、各科の指導医、初期研修医を含め、多職種の参加をもって、各専攻医の研修の振り返りと懇親をします。
③ 青年医師の会
 北海道民医連青年医師の会という、研修医が参加できる組織があります。会においては、学習会や懇親会を定期的に行い、診療科や施設を超えた交流を行っています。年に1-2回の合宿形式の研修会も行っています。

(5)専門医試験対策

① 受験申請に当たってのアドバイス
 研修担当の事務員および上級医が、出願までの流れや手順について、また試験のために準備すべき内容をアドバイスします。
② 受験のための費用の補助
 受験料や受験に関わる旅費を貸与します(別に規定あり)。

3 評価の方法

(1)指導医定期面接

 各専攻医に1名の担当指導医を配置し、3年間継続して指導に当たります。担当指導医は、勤医協中央病院ローテート中は2~3か月おき、中小規模病院ローテート中は6か月おきに、専攻医と定期面接を行います。
 各専攻医の、学問的姿勢、医師としての倫理性、社会性などについての評価は、各施設の専門研修委員会を中心に行います。専攻医の自己評価と多職種参加による360°評価を行い、担当指導医との定期面接で到達度を確認し、目標設定をします。評価を行う多職種には、看護師、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、ソーシャルワーカー、事務員を含みます。  
 

(2)研修手帳

 
 各専攻医について、経験した症例、習得した技術・技能について、オンラインの研修手帳に登録し、自己評価を行い、各科指導医および担当指導医と確認をします。

(3)専門医研修修了認定

 専門研修カリキュラムによる修了要件(56疾患群、160症例以上、病歴要約29編、2編の学会発表あるいは論文発表、JMECC受講、プログラムで定める講習会受講、指導医とメディカルスタッフによる360度評価の結果に基づき、医師としての適正に疑問がないこと)を満たし、専門研修プログラム管理委員会にて認められた場合に、研修修了の認定とします。専門研修修了証を授与します。

4 指導体制

(1)指導医の配置

 勤医協中央病院には、総合内科専門医4名以上を常勤医として配置します。各内科系診療科には厚生労働省認定の指導医講習会を受講した認定内科医(内科専門医)を各1名以上配置します。連携施設には、総合内科専門医(内科指導医)1名以上を常勤医として配置します。
 各専攻医には、後期研修3年間を通して指導を行う専任の指導医(認定内科医または総合内科専門医)を1名配置します。必要に応じてメンターとなる上級医の配置も行います。
 

(2)指導のための時間の確保

 
 専攻医の担当指導医となる医師には、週1単位以上の指導のための単位を設けます。

5 研修プログラム、研修施設の運営と改善

(1)研修プログラムの管理、運営のための組織

① 専門研修プログラム管理委員会
 プログラム統括責任者は、勤医協中央病院の内科指導医より選出される、各施設の研修委員会委員長、数名の指導医、数名の外部委員により構成されるプログラム管理委員会を主宰し、年3回以上定期的に会議を開きます。 各専攻医には、後期研修3年間を通して指導を行う専任の指導医(認定内科医または総合内科専門医)を1名配置します。必要に応じてメンターとなる上級医の配置も行います。
 プログラム管理委員会の会議では、専攻医の採用、修了認定、指導医の配置の確認と支援を行います。各年度における研修施設の診療実績、指導医の体制、学術活動の内容についての報告、確認も行います。また、研修に関わる予算および決算についての報告、承認も行います。
② 専門研修委員会
 各施設に専門研修委員会を設置します。月に1回程度定期的に会議を行います。委員長は各施設の内科指導医より選出され、委員会の構成は、医師(各診療科より選出)、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカー、事務員、その他とします。
 専門研修委員会では、各専攻医の現状と研修の到達の確認、環境整備、各種講習会の準備と開催、指導医の現状と支援について、議論を行います。

(2)施設要件の維持、向上

① 指導医の配置
 指導医の配置については、北海道民医連各法人内科医師の代表による議論を以て、決定します。特に地方の中小規模病院の指導医の配置には、十分に検討された計画が必要となります。指導医配置の決定は、全ての内科医師に開かれた議論の上、進めます。
② 各種講習会、カンファレンスの開催
 施設各委員会主催の講習会(医療安全、感染対策、医療倫理等)の開催に協力し、参加します。症例検討会、JMECCを主催し、定期的に開催します。病理科と協働しCPCを開催します。
③ 学術活動
 各施設の指導医を中心として、年度の学術活動の計画を立て、臨床研究に取り組みます。その成果は日本内科学会をはじめとした各学会の場で発表、また論文としてまとめます。

(3)指導医の指導スキルの向上

 各施設の研修委員会において、指導スキルに関する講習会を定期的に行います。
 各施設の指導医は、厚生労働省あるいは学会等主催の指導医講習会を受講します。
 各施設において、各年度2月と8月の2回、専攻医へのアンケートによる指導医評価およびプログラム評価を行います。

(4)症例の確保

 各施設において、年次毎の内科入院症例について、領域別の疾患構成と入院数を調査し、カリキュラム上の必修疾患のうち入院数の少ない疾患について、各施設の研修委員会で対策を講じます。
 プログラム参加施設全体での症例数は、専門研修管理委員会にて統括して把握し、不足する症例があれば、当該の施設の研修委員会とともに対策を講じます。

(5)研修に対する監査(サイトビジット等)・調査への対応

 専門研修プログラム管理委員会および勤医協中央病院内科専門研修委員会は、日本専門医機構内科領域研修委員会からのサイトビジットを受け入れ、対応します。その評価を元に、必要に応じて研修プログラムの改良を行います。

(6)専攻医研修マニュアル(別紙)

 専攻医が研修を進める上で有用な情報、注意すべき内容をまとめたマニュアルを作成する。3年程度で定期的に改訂を行います。

(7)指導医マニュアル(別紙)

 各施設における指導医の役割、指導法、問題解決法について記したマニュアルを作成します。3年程度で定期的に改訂、更新することとします。

(8)その他研修に必要な物品や担当職員の確保

 研修に必要な物品や事務スタッフ等については、各施設の研修委員会で議論し、購入、配置等の申請を各施設管理者に行います。

6 内科専門医研修修了後の後期研修について

(1)領域別専門医研修の専攻医として

 勤医協中央病院あるいは他の認定医療施設で、内科系サブスペシャルティ領域の専門研修を行います。

(2)中小規模病院の内科スタッフとして

 北海道民医連の各中小規模病院で内科スタッフとして診療を担いつつ、地域医療を中心としたさらなる研修を継続します。そのテーマとして、在宅・訪問診療、家庭医療、リハビリテーションがあります。

(3)診療所医師として

 医療過疎地あるいはへき地の診療所に勤務し、医療資源の乏しい地域の医療を担います。医療施設や他の施設・事業所、行政との連携を通して、地域医療の向上に寄与する活動を行います。

(4)共通カリキュラム

 研修指導に関わる講習会、組織の管理、運営に関わる講習会は不定期に開催され、あるいは民医連外の講習会等に参加し、知識を獲得します。
 内科症例検討会、CPCやキャンサーボード、その他、北海道民医連内で行われるカンファレンスや講習会等には、可能な範囲で参加します。
 JMECCのインストラクターあるいはディレクターの資格を希望する場合、北海道民医連内外の講習会等へ参加できるよう、可能な限り調整をします。

7 後期研修修了後のキャリアパス

(1)勤医協中央病院の領域別専門医として

 内科系サブスペシャリティ領域の専門医資格を取得し、勤医協中央病院の専門医療と臨床研究、教育に携わります。内科系診療科の管理に加え、将来的には内科全体の管理業務も担います。

(2)中小規模病院の内科指導医として

 地域の中小規模病院で内科指導医として診療の中心を担い、後期研修医の指導を行います。その施設の管理業務にも関わり、将来的には管理者となることも想定されます。地域包括ケアにおいて中心的な役割を担い、地域連携の核となることが求められます。

(3)診療所の管理医師として

 医療施設や他の施設・事業所、行政との連携を通して、地域医療の向上に寄与する活動を行います。医療だけではなく、その地域全体の健康増進のための活動を行い、地域づくりの中心としての役割を担います。

8 専攻医の募集、選抜、採用

(1)専攻医の定員

 専攻医の定員は、各学年10名までとします。

(2)専攻医の募集

 募集の期間は毎年7月1日より9月末日とします。締め切り日までに、下記の書類(様式あり)を提出します(郵送の場合は必着のこと)。
  1. 申請書(様式1)
  2. 経歴書(様式2)
  3. 初期研修評価書(様式3、現在の初期研修施設の指導医が記載)
  4. 小論文(様式4)当専門研修プログラムの志望理由について、1、000字程度の小論文にまとめる。
  5. 健康診断書
  6. 医師免許証のコピー

(3)専攻医の選抜、採用

 提出書類の審査と、専門研修プログラム管理委員会の指導医との個人面接により、試験を行う。試験に合格した者を専攻医として採用します。ただし、初期研修を修了できない場合には、採用を取り消します。

9 専攻医の身分・待遇、研修の休止・中断、プログラム移動

(1)専攻医の身分

 勤医協中央病院の設立母体である北海道勤労者医療協会に、常勤医師として雇用されます。(詳細は北海道勤労者医療協会理事会で毎年決定されます)

(2)専攻医の待遇

 給与、勤務時間や休暇等の待遇に関する条件については、北海道勤労者医療協会規定によります。

(3)研修の休止・中断、プログラム移動

 疾病あるいは妊娠・出産、産前後に伴う研修期間の休止については、プログラム終了要件を満たしていれば、休職期間が6か月以内であれば、研修期間を延長する必要はないものとします。これを超える期間の休止の場合は、研修期間の延長が必要となります。短時間の非常勤勤務期間などがある場合、按分計算(1日8時間、週5日を基本単位とする)を行うことによって、研修実績に加算します。留学期間は、原則として研修期間として認めません。
 やむを得ない事情により他の内科専門研修プログラムへの移動が必要となった場合には、適切に日本内科学会専攻医登録評価システムを用いて、当プログラムの専門研修プログラム管理委員会と移動後の専門研修プログラム管理委員会が、その継続的研修を相互に認証することにより、専攻医の継続的な研修を認めます。他の内科専門研修プログラムから当研修プログラムへの移動の場合も同様です。